私はぶぶになりたい
2023
「猫の視点を共有し、愛情と共感を通じて人と猫のつながりを共有するコミュニケーションが生まれた。」「猫は世界をどのように見ているのだろう?」
愛猫「ぶぶ」と暮らし始めてから、この問いが私の中で芽生えた。人間とは異なる視力や色の認識、狭い室内という限られた空間で暮らす猫にとって、どのように世界が感じられているのかを想像しながら、この作品を制作した。
本作品は、ムサビの9号館1階に実寸大のインスタレーションと、その隣に置かれた服、そして映像で構成されている。インスタレーションでは、ぶぶが日常的に過ごしていた空間を再現し、猫の視点やスケール感を体感できるよう工夫してる。隣に展示した服には、ぶぶの毛が付いており、これは日々の生活の中で自然と蓄積された「触れ合い」の記録である。服に付いた毛は、ぶぶとハグしたり、一緒に寝たりした時間の証でもあり、時間の重なりが視覚的に現れている。さらに映像では、ぶぶの日常の動きや、猫ならではの視点を映し出し、ぶぶとの生活が持つ温かさや愛情を伝えたい。この映像と服、インスタレーションを通して、ぶぶと共有した日々の記憶や、家猫の狭くも豊かな世界観を感じていただければ幸せになる。






